箏の歴史については、別ページにて紹介しましたが、日本の「箏」は、中国から伝来した「箏」という楽器をもとに、日本なりの工夫が加えられた独特の楽器です。
箏の長さは6尺(約1.8m)、幅は8寸(約24cm)前後で、タンスや下駄などにも使われる桐の木をくりぬいて作られます。
ただし、桐といっても色々な種類があり、タンス等とは種類が異なったり、使用する部分が違ったりします。
箏に良く使われ音も良いと言われるのが「会津桐」ですが、木目の入り方や木質の密度、加工技術によっても変わります。
桐の木には、
・材質が均一
・吸水率、透水性が低い
・熱伝導率が低い
これらの特徴があり、ちょうど箏を作るための条件にも合致しています。
材質が均一なため、部分的な変型や歪みが起きにくく、加工も容易で精密な加工が出来ます。
桐の木自体は湿気に対して敏感に反応しますが、水を多く含む訳でも無く、水を通しませんので、湿度の多い日本の気候に合っている木材です。
また、熱の伝導率が低く温度変化による伸縮等がありませんから、音程も安定します。
他にも理由はありますが、これらの特徴を活かして箏には桐の木が使われています。
また、その他、各部に用途に合わせて他の紫檀や紅木等の木質材や、樹脂、象牙等が使用されています。